【名刺作成の豆知識】第15弾のテーマは、高級感のある名刺を作る印刷方法や加工技術についてです。
「印刷方法によって印刷クオリティはどう変わる?」
「名刺により高級感を出せる加工とは?」
高級感のある名刺作りというと名刺のデザインにフォーカスする方が多いのですが、印刷方法や加工方法の選び方によって仕上がりの質に大きな差が出ます。名刺デザインは全く同じでも、印刷方法を変えたり、特殊加工を加えたりすることで、ぐっと高級感が増すことも少なくありません。
そこで、今回の記事では、仕上がりに差を付ける印刷方法や加工技術について、詳しく解説します。
前回の記事では、高級クラブで使われる名刺の特徴について解説しました。今回の記事では、高級感のある名刺を作る印刷方法や加工技術について、詳しく解説します。
高級クラブで使用される名刺の特徴とは?人気の用紙ベスト6New!!
デザインから印刷まで!名刺作成サービスを賢く選ぶポイントを解説
ブランディングに強いショップカードを作りたい!ショップが選ぶ高級感のある用紙の特徴
高級感のある名刺を作る印刷技術




最近は自宅やコンビニなどで気軽に名刺が印刷できますが、高級感のある名刺を作成するためにはどんな印刷技術がおすすめですか?

自宅のプリンターを使った名刺印刷やコンビニの名刺印刷サービスは、すぐに名刺を作りたい人には大変便利ですが、クオリティの高い印刷は期待できません。高級感のある名刺を作るためには、印刷の質も大切です。高級感のある名刺を作れる印刷技術をご紹介します。
オンデマンド印刷
オンデマンド印刷は、原稿データを直接読み取って印刷する方法で、版を作成せずに必要な時に必要な量を印刷できます。
版の出力をしないため、納期が短く少部数での印刷に適しています。即日・翌日納品、小ロット対応など名刺印刷サービスの多くは、オンデマンド印刷です。
オンデマンド印刷にはインクジェット式とレーザー式の2種類があり、印刷の仕組みや仕上がりが異なります。
オンデマンド印刷(インクジェット式)
インクジェット式は、微細な粒状のインクを用紙に吹き付けて印刷する方法です。家庭用プリンターにも多く採用されている方式で、ヘッドが直接紙に接触しないため色滲みが少なく、写真やグラデーションなどの複雑な色表現が可能です。
インクの種類は顔料インクと染料インクがあり、染料インクは発色が鮮やかで光沢感が出やすい一方、水に濡れると滲みやすく変色しやすい傾向があります。
顔料インクは耐水性と耐光性に優れており、色褪せが少なく文字の輪郭がくっきり印刷されます。
オンデマンド印刷(レーザー式)
レーザー式は、トナーと呼ばれる粉末インクを使った印刷方法で、トナー式とも呼ばれます。
レーザーで感光ドラムにトナーを吸着させ、熱と圧力によって紙に転写します。オフィスのコピー機に多い印刷方法で、連続印刷が可能で大量の印刷物を低コストで作れるのが魅力です。
レーザー式は水に強くインクが滲みにくいのが特徴で、文字の輪郭がくっきり印刷できるため、シンプルな名刺デザインに向いています。
一方でカラー印刷では微細な色調表現に弱い傾向があります。
オフセット印刷
オフセット印刷は、版に印刷したインクをゴム製のブランケットに転写(オフ)し、そこから紙に転写(セット)する印刷方法です。
印刷のムラが少なく、均一で高品質な印刷物が素早く大量にかつスピーディーに作れるため、新聞、チラシ、書籍、ポスターなど、日常的に目にする印刷物の多くがオフセット印刷で作成されています。
版の作成は、印刷データかCMYK4色それぞれに、平版を作成してから印刷します。4色のインクの網点を重ねることで微細な色表現が可能で、色ブレの少ない鮮明な印刷が可能です。また、版が直接紙に触れない間接印刷方法なので紙が傷みにくく、厚手の紙や凹凸感のある用紙にも印刷できます。
活版印刷
活版印刷は、金属製の活字を組み合わせて版を作り、凸版のインクを乗せて、圧力をかけて紙に押し当て印刷する方法です。
15世紀半ばにドイツで発明された近代印刷の基礎となる印刷技術で、ルネッサンス期の三大発明に数えられる革新的な技術でした。
印鑑やスタンプと同じ原始的な印刷方法で、独特のインクの沈み込みや紙の凹凸が作る立体感が特徴です。
特に和紙や厚みのある高級用紙を使うと、味わいのある仕上がりになります。

顔写真や多色使いのグラフィックを入れる名刺デザインにはオフセット印刷やレザー式、文字のみのシンプルなデザインにはオフセット、和紙や厚みのある紙の風合いを活かすなら活版印刷など、名刺デザインや好みの仕上がりに応じて、適切な印刷方法を選ぶことが大切です。
高級感のある名刺を作る加工技術




名刺印刷に使える特殊加工にはどのようなものがありますか?

高級感を出せる名刺の加工方法としては、箔押し加工、型押し加工、角丸加工、変形サイズがあります。ここからは、各加工技術の特徴を解説します。
箔押し加工

箔押し加工とは、熱と圧力を使って金属箔やホログラム箔を紙に転写する加工方法です。
名前やロゴなど名刺デザインのごく一部に使うだけでも、金・銀などの輝きが加わることで高級感のある仕上がりを期待できます。
箔押しされた部分は紙が少し凹むので立体感も楽しめます。
色の違う箔を2種類使って2色刷りのような効果を表現したり、白紙にパール箔や白箔を箔押しして微妙な色の違いを楽しんだり、独特の表現が可能です。
型押し加工
型押し加工とは、専用の金型を使って熱と圧力により紙に凹凸のある模様を施す加工方法です。型押し加工には、デザインを素材に浮き上がらせる「エンボス」と、押し込む「デボス」の2種類があります。デザインに立体感を与えることで独特の風合いが生まれ、手に触れた時の感触も楽しめ、高級感を高める効果があります。
角丸加工

角丸加工は名刺の四隅を丸くカットする加工方法で、柔らかく優しい印象を与えるのに効果的です。
四隅の全てを丸くしたり、一か所だけ、あるいは対角を角丸にしたりと自由に選べ、異なる表情に仕上げられます。
変形サイズ
一般的な名刺のサイズは、日本標準サイズと呼ばれる「55mm×91mm」の長方形ですが、独自性を出したい場合、規格外のサイズや形にするのも効果的です。
変形サイズで人気があるのは、正方形「55mm × 55mm」や横長「100mm × 50mm」で、どちらもスタイリッシュな印象を与えます。
また、ダイカットで作る特殊な形状の名刺も、アーティストやデザイナー、エンターテインメントやイベント関係者など、個性を大切にする職種の方には有効です。
ホログラムフィルム加工

ホログラムフィルム加工は、通常の印刷の上にホログラムのフィルムを張る加工です。
光の角度によって虹色に輝く、トレーディングカードのような特別感のある名刺に仕上がります。
柄はスター、クリスタル、オーロラの3種類があります。視覚的なインパクトがあり華やかさのある名刺に効果的です。
天金加工

名刺のフチ(側面)に金や銀の箔を転写する加工です。名刺の側面が金や銀になるため、豪華な印象に仕上がります。
300kg前後の厚みのある用紙を使うとさらに効果的で、重厚感と高級感のある名刺が作成できます。他の誰とも被らない、特別な高級名刺を作成したい方におすすめです。
高級名刺は用紙選びも大切



いくら印刷方法や加工技術にこだわっても、一般的な名刺用紙を使っているのでは高級感を出すのは難しいでしょう。印刷や加工の効果を最大限に引き出せるように、品質の高い用紙を選ぶことが大切です。
質感の良さ
名刺を受け取った時の紙の指触りは、印象を大きく左右します。微細な凹凸のある高級紙は指先に心地よい感触を残し、温かみや柔らかさを感じます。手漉き和紙やクラフト紙のように、紙の繊維が感じられる紙からは、素朴さや懐かしさを感じます。また、光沢がありツルっとした表面の紙は、すっと滑らかな触り心地で、クールな印象を与えます。高級感のある紙と一口にいっても、質感はさまざまなので、デザインや狙う印象に合わせて選びましょう。
紙の厚み
一般的な名刺用紙の厚さは約0.2mm〜0.25mmで、連量にすると180kg前後です。これより厚みや連量のある用紙を選ぶとより高級感が出せます。高級感を感じさせる厚みの目安は0.3mm以上、連量は220kg以上です。しっかりとした厚みのある用紙を使った名刺は重厚感があり、相手に信頼感を与えやすく、経験の豊かさや商品の質の良さを印象付けます。
用紙選びに悩んだらサンプルを!
名刺用紙にはいろいろな種類がありますが、紙の質感、風合い、色調、厚みなどは、実際に手に取ってみないとなかなか分かりません。どの名刺用紙を選ぶかで迷っている方は、ぜひサンプルを手に取って比較してみてください。
当社で取り扱いのある全種類の名刺用紙のサンプルを集めた「用紙サンプル集」を販売しています。

用紙選びで迷っている方は、ぜひ用紙サンプルをお取り寄せください。用紙サンプルはこちらからご購入いただけます。
高級感のある名刺の作成術のまとめ



高級感のある名刺を作成するためには、印刷方法、加工技術、名刺用紙の全てにこだわる必要があります。名刺を美しく印刷するには、以下の印刷方法がありますが、それぞれの特徴を知った上で、適切な印刷方法を選ぶことが大切です。
・オンデマンド印刷(インクジェット式)
・オンデマンド印刷(レーザー式)
・オフセット印刷
・活版印刷
また、以下のような特殊加工を採用することで、高級感のある名刺に仕上がります。
・箔押し加工
・型押し加工
・角丸加工
・変形サイズ
・ホログラムフィルム加工
・天金加工
シンプルなデザインでも箔押しや型押し加工でアクセントを加えると、ぐっと高級感のある仕上がりになります。また、角丸加工や変形サイズを採用することで、他の名刺とは違うユニークで印象に残る名刺に仕上げられます。
博多広告社は、福岡の自社工場で高精細印刷機を使った特殊紙・高級紙名刺の作成サービスを提供する高級名刺のエキスパートです。高級感のある名刺に使いやすいシンプルで洗練されたデザインテンプレートも多数ご用意しています。もちろん、ロゴ作成サービスも含め、完全オリジナルデザインでの名刺作成も承っております。
高級感のある名刺は、受け取った相手の印象を大きく左右します。高級感のある名刺は企業のブランディングや信頼性を高めてくれ、ビジネスシーンで一歩抜きんでた存在へと導いてくれます。高級名刺の作成を検討している方は、ぜひ博多広告社までお気軽にお問合せください。


